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2026年4月から住所変更登記も義務化。引越し後2年以内・過料5万円

更新日 2026-07-14

相続登記の義務化に続く第2弾が、2026年4月1日(令和8年4月1日)に施行された住所・氏名変更登記の義務化です。こちらは相続と関係なく、不動産を持っていて引越しや結婚をしたことがある人すべてが対象になります。いつから、誰が、いつまでに何をすればいいのか。この記事で全体像を整理します。

義務の中身。住所も氏名も、変更から2年以内

不動産の所有者(所有権の登記名義人)は、住所や氏名が変わった日から2年以内に変更登記を申請する必要があります(不動産登記法76条の5)。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料(行政上の金銭的な制裁。刑事罰の罰金とは別のもの)の対象です(同法164条2項)。

対象になる変更は、引越しによる住所の変更だけではありません。結婚や離婚などで氏名が変わった場合も同じ義務がかかります。登記簿の名前が旧姓のままの人も対象だということです。

いつから。過去の引越しもさかのぼって対象

施行日は2026年4月1日ですが、相続登記の義務化と同じ構造で、施行日より前の変更もさかのぼって対象になります。たとえば10年前にマンションを買い、その後2回引越して登記簿の住所が古いままの人。この場合の期限は2028年3月31日(令和10年3月31日)です。

自分の登記簿上の住所が現住所と一致しているか、すぐ答えられない人は多いはずです。マンションを買ったのが結婚前なら氏名も旧姓のままかもしれません。法務局で登記事項証明書(窓口600円・オンライン請求は割安)を取れば確認できます。まだ間があると感じるかもしれませんが、確認だけなら今日できます。

気をつけたいのは、期限の起点が「引越した日」ごとに動くことです。施行日の後に引越した場合は、その変更日から2年のカウントが新しく始まります。過去分の2028年3月31日という期限だけ覚えていると、新しい引越しの分を落とすことになります。

過料になるのはどんなとき。「正当な理由」の5つの例

期限に遅れたら直ちに5万円、という運用ではありません。正当な理由があれば過料の対象になりません。法務省が挙げる例は次の5つです。

注目すべきは1つ目です。後で説明する検索用情報の申出さえしておけば、法務局の手続きを待っている間に期限が来ても正当な理由になる。つまり申出を済ませた時点で、過料の心配は実質的に終わりという設計です。逆に「制度を知らなかった」「忙しかった」は例に挙がっていません。

無料で自動化できる「スマート変更登記」

この義務には負担軽減策がセットで用意されています。あらかじめ法務局に氏名・振り仮名・住所・生年月日・メールアドレスの「検索用情報」を申し出ておくと、法務局が住基ネットの情報から住所変更を把握し、本人の了解を取ったうえで職権で無料の変更登記をしてくれます。法務省はこれを「スマート変更登記」と呼んでいます。申出の受付は2025年4月21日に始まっており、国内に住所のある個人がこれから不動産を取得する場合は登記申請と同時に申し出る仕組みなので、実質的に自動化されます。

問題は既存の所有者で、自分で申し出をしない限りこの仕組みには乗りません。申出はオンラインでも書面ででき、添付書類は多くの場合身分証明書のコピーだけ、費用もかかりません。申出後は法務局が少なくとも2年に1回住基ネットに照会し、変更が見つかれば本人に確認のうえ登記を直してくれます。すでに登記簿の住所が古い人も、現在の住所で申し出れば過去分ごと解消できます。具体的な手順はスマート変更登記のやり方で、用意するものから申出後の流れまで説明しています。

なぜ義務になったのか。所有者不明土地という背景

そもそも住所変更の登記は、これまで任意でした。それがなぜ罰則付きの義務になったのか。背景にあるのは所有者不明土地の問題です。所有者不明土地には二つの型があります。登記簿を見ても所有者がすぐに分からない土地と、所有者は分かってもその所在が不明で連絡がつかない土地。あわせて国土の約2割に達すると推計され、公共事業や災害復旧が所有者を探す段階で止まる要因になっています。2024年4月に義務化された相続登記が前者への対策だとすれば、住所変更登記の義務化は後者、「持ち主はいるのに連絡がつかない」への対策です。

つまりこの義務化は、登記簿を「持ち主に連絡がつく状態」に保つための制度です。裏を返せば、連絡がつく状態を保つ仕組み(後述の検索用情報の申出)に乗っている人には、過料で追い立てる理由がない。正当な理由の1つ目が申出済みの人になっているのは、そういう設計思想の表れです。

法人や海外居住者はどうなる

法人は、会社法人等番号の登記がされていれば法務局の職権変更登記の対象になり、検索用情報の申出は不要です。一方、海外に住んでいる個人と会社法人等番号のない法人は職権登記の対象外で、変更があったら自分で2年以内に変更登記を申請する必要があります。転勤で海外赴任する予定がある人は、出国前に登記簿の住所を現状に合わせておくと、その後の管理が楽になります。

相続登記との合わせ技に注意

住所変更の放置は、将来の相続の場面で家族に跳ね返ります。登記簿上の住所や氏名が古いままだと、名義をたどる確認資料が増え、手続きが一段重くなるからです。住所のつながりが住基ネットで確認できないほど古い変更では、戸籍の附票の写しなどの追加書類を求められる場合があります。

過去分の相続登記を進める人は、住所変更の問題が絡んでいないかを先に確認しておくと手戻りがありません。親の家を相続した人・これから相続登記をする人は、まず相続登記の期限チェッカーで自分の期限を確かめて、相続登記のついでに検索用情報の申出も済ませてしまうのが効率的です。個別の事情で判断に迷う場合は、法務局の手続案内か司法書士に確認してください。

参考(一次情報)

あなたの期限は? 亡くなった時期を選ぶだけで、申請期限と残り日数を確認できます。

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