相続登記の義務化とは。期限・過料・対象をわかりやすく整理
更新日 2026-06-12
2024年4月1日から、相続した不動産の登記が法律上の義務になりました。それまで相続登記は任意で、登記しないまま放置しても罰則はありませんでした。いまは違います。期限を過ぎると過料の対象になり、しかも過去の相続もさかのぼって対象になります。
義務の中身
不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をする必要があります。対象は土地も建物も含みます。遺言で取得した場合も同じです。
2024年4月より前の相続も対象
ここが一番見落とされている点です。義務化より前に発生した相続、たとえば10年前に亡くなった親の実家が未登記のままになっているケースも、義務の対象になります。この場合の期限は2027年3月31日です。施行日から3年の猶予として設定されており、全国の「実家の名義が祖父母のまま」という不動産すべてに、この期限が迫っています。
ご自身の期限がいつになるかは、相続登記の期限チェッカーで確認できます。
過料は10万円以下
正当な理由がないのに期限内に申請しなかった場合、10万円以下の過料の対象になります。過料は刑事罰ではなく行政上のペナルティですが、お金を払えば済むという話ではなく、登記の義務自体は残り続けます。
正当な理由として認められる例も法務省が示しています。相続人が極めて多数で資料収集に時間がかかる、遺言の有効性や遺産の範囲が争われている、重病、DV被害、経済的困窮などです。単に「知らなかった」「忙しかった」は正当な理由になりません。
遺産分割がまとまっていなくても義務は発生する
「誰が相続するか決まっていないから登記できない」という場合のために、相続人申告登記という簡易な手続きが用意されています。自分が相続人であることを法務局に申し出るだけで義務を履行したことになり、単独で、戸籍の収集も最小限で行えます。
放置のコストは過料だけではない
登記を放置している間に相続人の誰かが亡くなると、その人の相続人が新たに権利関係に加わります。世代をまたぐほど関係者は増え、全員の合意を取るコストは膨らみ続けます。売却もできません。登記簿の名義が被相続人のままでは、買主に所有権を移せないからです。相続した不動産を将来売る可能性が少しでもあるなら、登記は早いほど安く済みます。