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相続登記の免税は100万円以下の土地が対象。2027年3月末まで

更新日 2026-07-28

地方の山林や原野、田畑など、たいした値段もつかない土地を相続することになった。名義変更のために税金まで払うのはばかばかしい、と感じている人は少なくないはずです。実は、評価額100万円以下の土地には登録免許税をかけない免税措置があり、期限は2027年3月31日までです。ただし黙っていて自動で適用されるものではなく、申請書に決まった一文を書き忘れると免税は消えます。この記事では、どの土地が対象で、何を書けばいいのかを法務局の案内に沿って整理します。

100万円以下の土地は、相続登記の登録免許税がかからない

相続で不動産の名義を変えるとき(相続登記)には、登録免許税という税金がかかります。金額は不動産の固定資産税評価額の0.4%です。評価額2,000万円の実家なら8万円という計算になります。ところが、評価額が100万円以下の土地については、この0.4%が免除されます。もともとの税額が小さい土地ほど、免税で浮く額の割合は小さく感じるかもしれませんが、価値の低い土地こそ「税金を払ってまで登記したくない」と放置されがちで、その放置を防ぐために設けられた措置です。

対象は土地だけです。建物や区分所有マンションの専有部分は、この免税の対象になりません。相続した実家をまるごと考えるときは、土地部分にだけこの免税がきくと理解しておくと混乱しません。名義変更にかかる費用の全体像は相続登記を自分でやる費用の記事で整理しています。

自分の土地が対象か。条件を図で確かめる

免税を受けられるかどうかは、次の条件をすべて満たすかで決まります。ひとつでも欠けると、通常どおり登録免許税がかかります。

1. 相続した「土地」である 建物・マンションは対象外 2. 評価額が100万円以下 1筆ごとに判定する 3. 2027年3月31日までに登記 免税の期限。過ぎると課税 4. 申請書に条文を記載 「第84条の2の2第2項により非課税」 → 登録免許税がゼロに 1つでも欠けると免税されない
免税を受けるための条件(法務局の案内をもとに作成)

順に見ていくと、まず相続した財産が土地であること。次に、その土地の評価額が100万円以下であること。そして2027年3月31日までに相続登記を申請すること。最後に、申請書へ免税の根拠となる条文を書くことです。評価額は市区町村から届く固定資産税の課税明細書や、法務局・市区町村で取れる評価証明書で確認できます。

いちばんの落とし穴。条文を書かないと免税は受けられない

この免税でつまずきやすいのが、申請書への記載です。法務局は、免税措置の適用を受けるには免税の根拠となる法令の条項を申請書に記載する必要があると明記しています。100万円以下の土地についてこの免税を受ける場合の記載文言は決まっていて、「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と書きます。この一文がないと、たとえ条件を満たす土地でも免税は受けられず、通常どおり登録免許税を求められます。なお、相続で土地を取得した人が相続登記をしないまま亡くなった場合には別の免税措置があり、そちらは申請書に記載する項が変わります。どちらに当たるか迷ったら、管轄の法務局に確認してください。

自分で登記申請をする人は、登録免許税の欄にこの一文を書き添えるのを忘れないようにしてください。法務局のページには申請書の記載例と様式も用意されているので、書式をダウンロードして確認しながら作ると安全です。書き方に不安があれば、司法書士や管轄の法務局の手続案内で確かめてから提出すると確実です。自分で進めるか専門家に任せるかの判断材料は費用の記事で比べられます。

「1筆ごと」で判定する。合計が100万円を超えても使える

100万円以下かどうかは、土地全体の合計ではなく、一筆(登記上のひとつの土地の単位)ごとに判定します。ここが見落とされやすいところです。たとえば100万円以下の土地を複数の筆で相続した場合、それぞれの筆が100万円以下でありさえすれば、合計額が100万円を超えていても、すべての筆が免税の対象になります。田畑や山林が細かく分かれている地方の土地では、合計だと超えていても筆ごとに見れば免税がきく、というケースは珍しくありません。

持分(ひとつの不動産を複数人で共有するときの、各人の取り分)だけを相続する場合は、不動産全体の価額に自分の持分の割合をかけた額で100万円以下かを判定します。共有名義の土地を一部だけ引き継ぐようなケースでは、この計算で対象になることがあります。細かい判定に迷ったら、評価証明書を持って法務局か司法書士に確認するのが早道です。

なぜ今動くのか。免税の期限と登記の義務が同じ時期に重なる

この免税を「まだ先の話」と後回しにしにくい理由があります。免税の期限が2027年3月31日であるのと同時に、相続登記そのものにも期限が迫っているからです。2024年4月1日から相続登記は義務になり、不動産を相続で取得したと知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料(行政上の金銭的な制裁で、刑事罰の罰金とは別のもの)の対象になります。施行日より前に相続していた分は、2027年3月31日か知った日から3年のどちらか遅い方が期限です。

つまり、価値の低い土地を持て余している人にとっては、登記をしなければならない時期と、登記が無料でできる時期が、ちょうど重なっているということです。2027年4月以降に登記すれば、義務は果たせても免税は使えず登録免許税がかかります。その2027年3月31日まで残り233日。この二つの期限が同時に効いている今のうちに済ませておくのが、費用の面でも合理的です。もっとも、価値がつかない土地そのものを手放したい場合は、相続土地国庫帰属制度という選択肢もあります。引き取ってもらえる条件は限られますが、検討の入口は国に返す制度の記事で確認できます。

まず自分の土地が対象かを確かめる

次の一歩は具体的です。相続した土地の評価額を、固定資産税の課税明細書か評価証明書で筆ごとに確認する。100万円以下の筆があれば、2027年3月31日までに相続登記を申請し、申請書に「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と書く。これだけで、その土地の登録免許税はかかりません。評価額が100万円を超える土地や建物には通常どおり税金がかかるので、そこは分けて考えます。

そもそも自分に相続登記の義務や期限があるのか曖昧な人は、相続登記の期限チェッカーでいくつかの質問に答えると、自分の状況の目安が分かります。評価額の判定や記載の書き方で迷う場合、相続人が多くて手続きが複雑な場合は、司法書士や法務局に相談してから動くと間違いがありません。税額の個別の計算や特例の当てはめは、税理士や税務署に確認するのが確実です。

参考(一次情報)

あなたの期限は? 亡くなった時期を選ぶだけで、申請期限と残り日数を確認できます。

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