相続土地国庫帰属制度とは。いらない土地を国に引き取ってもらう条件と費用
更新日 2026-06-13
「売れない、貸せない、でも固定資産税と管理責任だけは続く」。そんな相続土地の最後の出口として、2023年4月に相続土地国庫帰属制度が始まりました。相続した土地を、審査を経て国に引き取ってもらう制度です。
制度の基本
相続や遺贈で土地を取得した人が、法務局に申請し、審査に通れば土地の所有権を国庫に帰属させられます。申請できるのは相続で取得した人だけで、売買で買った土地は対象外。共有地の場合は共有者全員での申請が必要です(相続以外で取得した共有者がいても、相続で取得した人が1人いれば全員で申請可能)。
引き取ってもらえない土地
国は何でも引き取るわけではなく、管理コストが大きい土地は却下されます。代表的な却下要件は次の通りです。
- 建物が立っている土地(更地にしてからでないと申請できない)
- 担保権(抵当権など)や使用収益権が設定されている土地
- 他人による通路利用など、他者の使用が予定されている土地
- 土壌汚染がある土地、境界が不明確・所有権に争いがある土地
- 崖地や、管理に過分の費用・労力がかかる土地
費用
審査手数料が1筆あたり14,000円。承認されると負担金として原則20万円(10年分の管理費相当)を納めます。市街化区域の宅地や農地など、面積に応じて負担金が増える区分もあります。「タダで引き取ってもらう」のではなく、20万円超を払って手放す制度だと理解してください。
向くケース、向かないケース
向くのは、買い手も借り手も現実的に見込めない遠方の原野・山林・空き地で、管理責任から確実に解放されたい場合。向かないのは、多少なりとも売れる可能性がある土地です。専門買取業者の買取価格がゼロでない限り、払って手放すより売るほうが合理的なので、順序としてはまず売却可能性の確認、ダメなら国庫帰属です。
その順序の一歩目として、無料相談で「この物件に買い手がつく可能性があるか」をご確認ください。なお建物付きの実家は、本制度では解体が前提になる一方、空き家の3,000万円控除を使って売る道が残っていることが多いです。